昔…もう免許を取る以前から憧れていた複数の車を持つ生活…。
存分に満足できました。
で…車を手放すことにしました。
というか…既に手放してしまいました。
今でも世の中でベストなワゴンだと思っているBMW5シリーズツーリング(E39)

BMWに乗って何に驚いたっていうと…そのハンドリングの滑らかなことと、フロントの回頭性の良いこと。長さ5メートル、幅185センチの車なのに5ナンバーの車と同じような感覚で取回せてしまいます。
ブレーキの剛性の高さと正確さも日本の車にはないところでした。軽く踏むと軽く効く…という部分が日本の車は弱いです。停まりかけた位のスピードからのブレーキングでの踏力による微妙なブレーキの効き具合の調整が素晴らしい。
もちろん、ガンっと踏んだ時の効きも良いです。
さらに感心したのがATの設定。
普段は早め早めにシフトアップして燃費を稼ぐ設定なんです。が…アクセルを床まで踏み込み加速をするとモードが切り替わります。
シフトはD、つまりドライブモードのまま変更しなくても高い回転数のままキープしてくれます。ブレーキを踏んでも、アクセルを緩めても、エンジンのおいしい回転域に収まるようにしてあって、アクセルを踏めば即加速…という状況に移れる非常にスポーティな感じです。
ホンダのCR-Zもスポーツにモードを選択した時ぐらいはこのようなパターンにして欲しかったなぁ。燃費を稼ぐシフトアップを繰り返すスポーツモードって…何のためにあるのか意味不明だった。
リアのテールゲートの中に3角停止板が収めてあるのも嬉しい配慮です。
だって、リアに荷物を満載している時に荷物を全部下さないと非常時に必要なグッズに手が届かない…というのは明らかに設計者が使う人に全く配慮していないからです。
BMWに乗るとエマージェンシーキットが助手席足元にあったり…と運転する人にとってはイザ何かが起こった時に直ぐに対応が出来る配慮がなされているのが分かります。
ドリンクホルダーを付ける…なんてことだけが運転者への配慮ではない…というところにもっと多くの自動車設計者に気が付いてほしい…。
トヨタを始め世界中の自動車メーカーがこのE39をひとつの目標として自動車開発をした…という話しを聞いても…納得の1台です。
当時としては先進の5速ATなのでそれほどギア比も離れてません。
まぁ、欲を言うとあと2段位あるともっとスムーズにエンジンのパワーバンドを使うことが出来ると思います。ターボかスーパーチャージャ付きのエンジンならこの5速で全く問題はなさそうですが、私が乗っていたのは2.8リットルのNA(自然吸気)エンジンでしたので…あと2段ぐらいあると理想だな…と思ったんです。
どういうことかというと…、そろ~りと静かな運転をしたいときにトルクフルな回転まで回転を上げずにもっと静かシフトアップが出来るようになるということです。一方…目いっぱい走りたいときにはシフトアップの際にトルクの細るところまで回転を落とさないで良い…つまりギア比がもっとクロスするようになるには、いろいろな状況を考えると理想的にはあと2段欲しいな…ということです。
それ以外はABS、トルコン、オートワイパー、シートヒーター、運転席助手席独立オートエアコンなんていう装備もあって、内装も私の好みには完璧!という感じでした。
もちろん外装も私の好みにバッチリで、このまま死ぬまでこの車に乗ってようかな…と思ったこともあります。
この車…妹家族に譲りました。
今でも街中で使うにはベストなコンパクトカーだと思っているホンダ シティ(GA2)

5速マニュアルのFFです。
運転はメチャクチャ楽しい!
なにせ840キロの車重なので軽いです。フロントのエンジンを中心にクルリ…と回るような感覚で頭が入っていく感じは何とも言えません。
最高速…なんていうのや、サーキットでの直線加速…なんていうのに興味がある人には向かない車ですが、街中だとめっぽう早いです。車重が軽いのはスタート時の加速の付き具合も早いし、何よりコーナーリングで車のモーメント変化が速いです。
この辺りは物理が苦手な人だと分からないかもしれませんけど…、いくらグリップを上げても追いつけない物理原則なのです。
調べてみると良いと思いますが、スポーツカーとしてレースで戦う車は軽いです。
重い車は曲がらないのです。
重いと乗り心地が良くなり、室内を静かに出来たりするんですが…それはスポーツカーではなくてラグジュアリーであり、早い速度で高速道路を移動する昔でいうグラン・ツーリスモ(GT)です。
今の時代…多くのスポーツカーと呼ばれる車は実は曲がりくねった山道ではそれ程スピードを出す楽しみの無いラグジュアリークーペもしくはラグジュアリーGTになってしまっているようです。
実はシティ、以前にも所有していたのですが子供が増えてベビーシートが乗り切らなくなったので手放しました。
2008年に全くのノーマル車両が売りに出ていたので堪らずに購入してしまったんです。
いやぁ…この車は良くできていて運転も楽しいのに高速で走っていてもあまりうるさくないんですよ…。と…いっても100キロまでのことですけど…。80キロ走行だったら街中とオーディオの音量をほとんど変えないでも快適に走ることが出来ます。
軽いということは燃費も良くて高速で大人しく走ると1リットルで20キロ入ってしまったりもします。一方、街中では燃費を気にしないで走っていても1リットルで14キロぐらい走るのでかなり経済的にも嬉しい車です。
この車…弟に譲りました。
今でも…スポーティクーペとしては最高だと思うトヨタMR2(AW11)

日本初の乗用ミッドシップカーとして発売され1984年のカーオブザイヤーも受賞しています。
どういう訳か車関係の方々からの評判はあまり高くないようで昔のスポーツカー特集でもあまり出てこないのですが、バランスのとれた運転のしやすい気軽に乗れるスポーティな車です。
スポーツカーではなくスポーティカーと書いているのは、開発した方々はスポーツカーではなく気軽にスポーティな雰囲気と運転の楽しさを味わえる小型スペシャリティカーを作りたかった…ということですし…その目的通りの車に仕上がっていると思うからです。
元々…スポーツカーとするためにはエンジンルームで許容できる熱排気のことなどを考えると、もっと積極的に外気を取り込むエアインテーク形状であったり、よりキャパシティの大きなブレーキディスクなどが必要だったことは開発している方々も分かっていたことと思います。
発売された当時は大学生だった私にとって、MR2は手の届かない車…つまり夢の車の1台でした。
グレードによってはパワーウインドウが装備されていて、オプションでオートエアコンやオートクルーズもあるという…当時としてはかなり装備が充実していた車ということもあって…自分でこの車に乗ることが出来る日が来るとは思っていませんでした。
中古で手に入れた購入当時は社外品のマフラーが装着されていました。
シフトアップをするたびにトルクの無い回転域までエンジン回転が落ちてしまって…変なギア比の車だな…と思っていたのです。街乗りの回転…という穏やかな部分だけではなく、フルにアクセルを踏み込んで加速する時にレッドゾーン手前でシフトアップをしても、次のギアに入って数100回転分はトルクが細い感じで加速がかなり鈍っていました。
同じMR2乗りの方から純正マフラーを譲っていただいたので車検の際に装着したところ…これはマフラーによるトルク/パワー特性だということが判明。
純正マフラーだと3000回転位でも装着されていた社外品のマフラーよりもトルクが太いのです。そんなに回転を上げなくてもシフトチェンジによるトルクの大幅低下を感じる度合いが確実に低いです。
その分、4000回転以上の部分でのピークパワーが出る部分ではパンチが無いです。
が…その回転数の部分を使っての走行をそれ程しませんし、高回転域までエンジンを回すような場合でもシフトアップ時の加速が大きく鈍る感じが無いです。
トータルでは純正マフラーの方が普通の山道などを走るには気持ちも良いし、本気で…ということをする場所でもタイムも早そうです。
マフラーを交換してピークパワーを得る場合には、中回転域でのトルクが細くなるのでミッションのギア比を変更するなどの手当てが必要だと思います。
いやぁ…この車…でこのコンディション…日本のもまだ何台も残っているとは思いますが…めぐり合う機会がまたあるのか…と問われると…その可能性は限りなくゼロに近いとしか答えられません。
前のオーナーも屋根付き車庫保管だったようで色褪せもなくきれいな状態なんです。
このタイプのMR2だけでの年に1回の集まり、MR2ミーティングでは3年連続してオリジナル部門で1位に他のMR2オーナーの方々にも選んでいただいた車両です。
この車…商業ビルの立体駐車場に今もあります。
これからも…この車だけは手放さないぞっ!